失はれる物語

2005年6月6日 読書
ISBN:4048735004 単行本 乙一 角川書店 2003/12 ¥1,575

本自体にイカス加工が施してあって、部屋に置いてあってもカッコイイです。でも、この加工はいらなかったからもう少し安くして欲しかったなぁ

−−−−−−−−−− Calling you −−−−−−−−−−−
序盤主人公はいかにも「他人は所詮他人。理解し合えることは無い」的なオーラ出しまくりの幸薄少女だったはずなのに、終わってみればこんなにも情の深い人間に。「愛」とか「友情」とか「価値観の共有」とか、人が人であるための確固たる所以はこの根本的なおかつ曖昧なアノ感情にあるんだろうなぁ。そのアノ感情がうまく出ている作品です。

−−−−−−−−−− 失はれる物語 −−−−−−−−−−−
本書の題名にもなっている作品。乙一さんの作品はラストの劇的なオチに最大の魅力があるわけですが、今回は読者のその心理を更に裏切って、「オチがない」というなんともしてやられた感がありました。

−−−−−−−−−− 傷 −−−−−−−−−−−
あぁ、なるほど。確かにこういった「裏切り」をテーマにした話のラストは「友情」で締めくくられるパターンが多いですね。「父親」という描写がキーポイントだと思いました。

−−−−−−−−−− 手を握る泥棒の物語 −−−−−−−−−−−
空気を書いた作品。とでも形容しましょうかW。内容が後から付いてくるように思えたのは僕だけでしょうか?でも、あの臨場感とも言うべき現場の空気は伝わってきました。小説という表現方法で空気を伝えるのは流石だなぁと思います。(だからこれを映画化したのか…)

−−−−−−−−−− しあわせは子猫のかたち −−−−−−−−−−−
途中まで推理物だと思いませんでした。というか途中までのほのぼのとした世界のままハッピーエンドにして欲しかったです。この本の中で一番好きな話でした。

−−−−−−−−−− マリアの指 −−−−−−−−−−−
最後の最後で地雷。「ZOO」や「GOTH」と錯覚してしまいそうなダークネスぶり。これこそ乙一ワールド!もう読者に推理させよう推理させようと伏線引きまくり。もう、ヒント多すぎて誰が犯人か分からなかったです。

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