危惧していた未来すら、死して傍観できないか。

ISBN:4840231001 コミック 高野 真之 メディアワークス 2005/07/27 ￥578







運命に逆らって

がんC＠運命すら否定してやる★です。


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銀世界の夜はぼんやりと明るい。
その優しさに何人の恋人達が愛を誓うだろうか。
その凍てつく寒さで何人の子供を殺すのか。
銀世界の夜は、一人で歩くには寒すぎる。
でも僕が思うのは
寒いから手をつなぎたいんじゃない。
君の冷たい手をにぎりたいんだ。
たとえ僕の手も冷たくても、さぁ手をつなごう。
温まらなくてもいいんだよ。
「冷たい。寒い。」って一緒に感じられれば。
あの月の卑屈な笑顔を一緒に睨み付けられれば。
かつて偉人が言った言葉を覚えているだろうか、

「愛し合うということはお互いを見詰め合うことではない、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　同じ方向を向くことだ」

その日初めて僕等は言葉を交わした
「早く帰ろうか。」

僕の見え透いた了見も包み込んで月は静かに笑っている。